第46回 活動報告
【活動報告】第46回 あおぞらの輪
様々な方の協力もあり,参加人数が少しずつ増え,借りていた研修室も手狭になってきた.さらに人数が増えたときのことも考えないとな~💦と焦りつつ,「通いやすさ」「対話のしやすさ」という点から,仙台市市民活動サポートセンターを越える場所がなかなか見つけられずにいる.そこそこ広さがあって,通いやすくて,対話がしやすい場所.
この贅沢な条件をカバーしてくれる場所は見つかるのか…?
【読書の輪】
毎回の本紹介で,丁寧な資料を準備してくださる方がいる.(紹介の方法は個人個人にお任せしているため,資料の準備をこちらから勧めてはいない)1冊の本としっかり向き合った形跡が残っており,この資料を作るために何度も読み返しただろうな…ということが伝わる.そしてやはり,それぞれの手元に資料があると,本の詳細な内容について対話がしやすい.
●中島敦「文字渦」:「文字渦・牛人」(KADOKAWA)収録
最近うちの会に足を運んでくださっている方で,ご自身でも「週末居場所読書会」といった読書会を仙台で主催されている.
彼が作る資料は,主に「本編要約」と「作品の見どころ」で構成されている.特に,「本編要約」はとても精密で,読んでいる人に内容が伝わりやすく,かつ本文の味や面白さが失われ過ぎないように,丁度よいラインが突き詰められている.どこを省き,どこを残すかを考えるために,作品を何度も読み返していることが伺える.彼の資料を見ていると,何を以て「1冊読んだ」といえるのかを考えさせられる.
↑の読書会は「読解力」をキーワードに,参加者それぞれが内容の要約に挑むことになる.読書や社会の中で実際に活きていく「読解力」を付けたい人は,是非足を向けて見て欲しい.
●ダフネ・デュ・モーリア,務台夏子訳「いま見てはいけない Don't Look Now」:「いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集」(創元推理文庫)収録
もうお一方は,会を開いた当初から通ってきてくれている学生時代の友人である.彼の作る資料はとにかく「丁寧」.紹介する1冊に十分な敬意を払いながら,その本の魅力や面白さを伝えるための努力が資料の至るところに散りばめられている.
今回の資料では,「著者について」「登場人物」「あらすじ」「印象的だった内容・テーマ」「作品の特徴」「参加者と話し合ってみたいこと」「本文の引用」といった実に豊かな観点で整理されている.
1冊の本と何度も向き合い,対話を重ねていく中で見つけた観点たちなのであろうか.海外の作品を「遠いもの」と感じている人にとっては,より「身近なもの」と感じさせてくれる気がするし,この作品を読んだことがある人にとっても,互いの「読み」について対話が深まりやすく観点が定められている.
彼の資料をみると,1冊の本を「楽しむ」「味わう」ことを思い出させてくれる.
ーーーーー
私がいたグループにはあと1人,学生さんが参加してくれていた.数カ月前にたまたまラーメン屋で声をかけ,話が盛り上がり,今回の参加を決めてくれたようだ.私といっしょに↑2人の資料にあんぐりしながらも,大人顔負けの本紹介と思慮の深さを見せてくれていた.自分の在り方にいつでも迷いながら,歩みを止めずに考え続ける.実際に各地を「旅」しながら,今も多分,頭や心の中で自分の生の在り方を見つめる「旅」をされている.ひと回りも年齢が違うはずなのに,なんだかこっちの身が引き締まる思いがした.
●メリッサ・ダ・コスタ,山本知子訳「空,はてしない青」(講談社)
運命はすでに
決まっている。
だからエミルは
旅に出ることに決めた。
「若年性アルツハイマーと宣告された男性、26歳。人生最後の旅の道連れ募集」。エミルは病院と周りの同情から逃れるため、旅に出ることにした。長くても余命2年。同行者を掲示板で募集したところ、返信が届いた。「高速道路の三番出口で待ち合わせしよう。こちらは、つばの広い黒い帽子にゴールドのサンダルに赤いリュック。どう?」。現れたのはジョアンヌと名乗る小柄な若い女性。自分のことは何も語らない。2人はとりあえず、ピレネー山脈に向けキャンピングカーで出発することにした。それは、驚くほど美しい旅の始まりだった——。
爽やかな筆致で描く、命と愛、生きる喜びについての感動大長編。
(公式ホームページより)
「残された時間」は誰しも有限で,いづれ必ず「終わり」を迎える.主人公はなぜ,「誰かと旅に出たい」と思ったのだろうか.もし自分が「余命2年」を宣告されたら,一体何を捨て,何を選ぶことになるのだろうか.
※今回は,「読書の輪」のみをピックアップしてお伝えしたが,「哲学の輪」もなかなか興味深い時間であった.余裕があるときに,まとめてお伝えしたいと思う.
📚あおぞらの輪📚
#あおぞらの輪 #対話 #生涯学習 #居場所 #自分らしい学び #読書 #旅 #庭 #窓 #創る #ことば #散歩 #自然 #アトリエ
様々な方の協力もあり,参加人数が少しずつ増え,借りていた研修室も手狭になってきた.さらに人数が増えたときのことも考えないとな~💦と焦りつつ,「通いやすさ」「対話のしやすさ」という点から,仙台市市民活動サポートセンターを越える場所がなかなか見つけられずにいる.そこそこ広さがあって,通いやすくて,対話がしやすい場所.
この贅沢な条件をカバーしてくれる場所は見つかるのか…?
【読書の輪】
毎回の本紹介で,丁寧な資料を準備してくださる方がいる.(紹介の方法は個人個人にお任せしているため,資料の準備をこちらから勧めてはいない)1冊の本としっかり向き合った形跡が残っており,この資料を作るために何度も読み返しただろうな…ということが伝わる.そしてやはり,それぞれの手元に資料があると,本の詳細な内容について対話がしやすい.
●中島敦「文字渦」:「文字渦・牛人」(KADOKAWA)収録
最近うちの会に足を運んでくださっている方で,ご自身でも「週末居場所読書会」といった読書会を仙台で主催されている.
彼が作る資料は,主に「本編要約」と「作品の見どころ」で構成されている.特に,「本編要約」はとても精密で,読んでいる人に内容が伝わりやすく,かつ本文の味や面白さが失われ過ぎないように,丁度よいラインが突き詰められている.どこを省き,どこを残すかを考えるために,作品を何度も読み返していることが伺える.彼の資料を見ていると,何を以て「1冊読んだ」といえるのかを考えさせられる.
↑の読書会は「読解力」をキーワードに,参加者それぞれが内容の要約に挑むことになる.読書や社会の中で実際に活きていく「読解力」を付けたい人は,是非足を向けて見て欲しい.
●ダフネ・デュ・モーリア,務台夏子訳「いま見てはいけない Don't Look Now」:「いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集」(創元推理文庫)収録
もうお一方は,会を開いた当初から通ってきてくれている学生時代の友人である.彼の作る資料はとにかく「丁寧」.紹介する1冊に十分な敬意を払いながら,その本の魅力や面白さを伝えるための努力が資料の至るところに散りばめられている.
今回の資料では,「著者について」「登場人物」「あらすじ」「印象的だった内容・テーマ」「作品の特徴」「参加者と話し合ってみたいこと」「本文の引用」といった実に豊かな観点で整理されている.
1冊の本と何度も向き合い,対話を重ねていく中で見つけた観点たちなのであろうか.海外の作品を「遠いもの」と感じている人にとっては,より「身近なもの」と感じさせてくれる気がするし,この作品を読んだことがある人にとっても,互いの「読み」について対話が深まりやすく観点が定められている.
彼の資料をみると,1冊の本を「楽しむ」「味わう」ことを思い出させてくれる.
ーーーーー
私がいたグループにはあと1人,学生さんが参加してくれていた.数カ月前にたまたまラーメン屋で声をかけ,話が盛り上がり,今回の参加を決めてくれたようだ.私といっしょに↑2人の資料にあんぐりしながらも,大人顔負けの本紹介と思慮の深さを見せてくれていた.自分の在り方にいつでも迷いながら,歩みを止めずに考え続ける.実際に各地を「旅」しながら,今も多分,頭や心の中で自分の生の在り方を見つめる「旅」をされている.ひと回りも年齢が違うはずなのに,なんだかこっちの身が引き締まる思いがした.
●メリッサ・ダ・コスタ,山本知子訳「空,はてしない青」(講談社)
運命はすでに
決まっている。
だからエミルは
旅に出ることに決めた。
「若年性アルツハイマーと宣告された男性、26歳。人生最後の旅の道連れ募集」。エミルは病院と周りの同情から逃れるため、旅に出ることにした。長くても余命2年。同行者を掲示板で募集したところ、返信が届いた。「高速道路の三番出口で待ち合わせしよう。こちらは、つばの広い黒い帽子にゴールドのサンダルに赤いリュック。どう?」。現れたのはジョアンヌと名乗る小柄な若い女性。自分のことは何も語らない。2人はとりあえず、ピレネー山脈に向けキャンピングカーで出発することにした。それは、驚くほど美しい旅の始まりだった——。
爽やかな筆致で描く、命と愛、生きる喜びについての感動大長編。
(公式ホームページより)
「残された時間」は誰しも有限で,いづれ必ず「終わり」を迎える.主人公はなぜ,「誰かと旅に出たい」と思ったのだろうか.もし自分が「余命2年」を宣告されたら,一体何を捨て,何を選ぶことになるのだろうか.
※今回は,「読書の輪」のみをピックアップしてお伝えしたが,「哲学の輪」もなかなか興味深い時間であった.余裕があるときに,まとめてお伝えしたいと思う.
📚あおぞらの輪📚
#あおぞらの輪 #対話 #生涯学習 #居場所 #自分らしい学び #読書 #旅 #庭 #窓 #創る #ことば #散歩 #自然 #アトリエ