第57回 活動報告
【活動報告】第57回 あおぞらの輪
北村紗衣さんの「批評の教室」という本をご存知だろうか.「チョウのように読み、ハチのように書く」という副題はなかなかインパクトがある.最近足繁く「あおぞらの輪」に通ってくれているTさんは、批評に関する本を持ってきてくださった.「作者には●んでもらいましょう」「人に好かれることはやめましょう」「自分の考えたいことを考え、書きたいことを書きましょう」といったご助言は、空気を読み過ぎる現代の風潮に喝を入れていくれる.
気になるご助言があった、とTさんは話す.↑「書きたいことを書きましょう」と提言して置きながら、「のびのび書いてはならない」とも伝えているそうなのだ.つまり「思ったままに書く」ことで、無意識の思い込みや思考の型から抜け出せなくなる、とのこと.そこでTさんは、私たちに「表現の自由」についての問いを投げかけて下さった.「(書くことの)自由ってなんだろう?」と.
私自身、最近毎朝日記を書いている.知人に紹介してもらった実践で「アーティストノート」というもの.A4一枚を全部埋めたら終わり、というシンプルなもの.誰に見せる訳でもないので、言葉が間違っていても支離滅裂になっていたとしてもOKだそうだ.とにかく思うがままに書く.浮かんだら書く.おかげで最近、行き詰まっていたアイディアがどんどん発展していったり、自分の気持ちが安定したりと効果を実感している.
しかし、確かに日記を振り返って眺めてみると、同じ(似たような)構造をもつ文章が結構多く見られる.私自身が意識していない考えの癖(思考の型)のようなものが存在し、思うがままに書いている時はその型から抜け出すことはできていないのだろう.思うがままに書いていれば、書きたいことが書けるようにはならないらしい.
Tさんが在籍していた中学の話がとても興味深かった.なんでも超荒れていた学校で、いわゆる教師に反抗的なヤンキーたちが跋扈していたらしい.教師の言う事を聞かないどころか反抗的であり、仲間内での遊びを勉学以上に優先させる.そんな人たちが卒業式の日、廊下に並んで青白い顔で佇んでいたらしい.高校という守られた時間が終わり、社会に投げ出されてしまう自分たちの未来に初めて不安を覚えたのだろう.その光景が印象的だった、とTさん話す.
彼らは学校内では「自由」であった.自分達の思うがままに行動し、周りの迷惑を考えず仲間たちと好き勝手過ごしていた.しかし、学校の外に出ると、彼らは全然「自由」ではなかった.むしろ、多少我慢して勉強していた生徒たちの方が、未来の選択の自由が保障されていた.ここで分かるのは、思うがままに振る舞う自由は、自身の選択肢を増やしてはくれない、ということだ.他の選択肢を受容しているからこそ、未来の自由を選択することができる.知らないこと、聞いたことがないことに触れることは、結果として自由な自分を保障してくれるのだ.
話を戻そう.「表現の自由」についてであった.私が書いている「アーティストノート」は、確かに発想を柔らかくしたり、感情を安定させることに寄与してくれたかもしれない.しかし、自分の思考の型や知っていることから抜け出すことはできない.しかし例えば、全く別の嗜好をもつ人のエッセイを読んだり、話を聞いてみたりしたらどうだろうか.もしかすると、自分の知らない気持ちや新たな視点に気づき、書ける対象や書き方の選択肢が増え、さらに自由に自分の書きたいことが書けるようになるかもしれない.
Tさんは他にも、廣野由美子さんの「批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義」(中公新書)も持ってきて下さった.その本には、「精神分析」や「脱構築論」など、さまざまな批評の観点が紹介されているという.(会が終わった後、即注文した)この本を読んで、批評の視点を手にしたとき、自分の文学への見方がどのように変化していくのか、今から楽しみで仕方がない.もしかすると「自由」というのは、最初からあるものではなく、努力で手に入れていく類のものなのかもしれない.
別の友人Mも、本を紹介するとき、「批評」という観点をとても大切にしている.そんな彼は、「批評」は「科学」だと話している.自分の主観だけではなく、誰が観ても納得するような「解釈」を論理的に導き出す.(それでもズレや歪みが出てきてしまうようなのだが)読む、という行為がより自由を得るために「批評」を勉強する.おら、なんかワクワクしてきたぞ.
ーーーーー
🗓️次回以降の予定
◎第58回 あおぞらの輪
●日程
・4月19日(日)9時20分〜12時
●場所
・八木山市民センター 和室1
●内容
・マインドマップによる思考の整理、おすすめの本紹介、哲学対話
●持ち物
・参加費1000円、おすすめしたい本、筆記用具、飲み物等
◎第59回 あおぞらの輪
●日程
・5月3日(日)9時20分〜12時
●場所
・仙台市市民活動サポートセンター 研修室3
●内容
・マインドマップによる思考の整理、おすすめの本紹介、哲学対話
●持ち物
・参加費1000円、おすすめしたい本、筆記用具、飲み物等
☎ご興味ある方は、
お気軽にDMにてご連絡ください!
お会いできること、楽しみにしています☺️
北村紗衣さんの「批評の教室」という本をご存知だろうか.「チョウのように読み、ハチのように書く」という副題はなかなかインパクトがある.最近足繁く「あおぞらの輪」に通ってくれているTさんは、批評に関する本を持ってきてくださった.「作者には●んでもらいましょう」「人に好かれることはやめましょう」「自分の考えたいことを考え、書きたいことを書きましょう」といったご助言は、空気を読み過ぎる現代の風潮に喝を入れていくれる.
気になるご助言があった、とTさんは話す.↑「書きたいことを書きましょう」と提言して置きながら、「のびのび書いてはならない」とも伝えているそうなのだ.つまり「思ったままに書く」ことで、無意識の思い込みや思考の型から抜け出せなくなる、とのこと.そこでTさんは、私たちに「表現の自由」についての問いを投げかけて下さった.「(書くことの)自由ってなんだろう?」と.
私自身、最近毎朝日記を書いている.知人に紹介してもらった実践で「アーティストノート」というもの.A4一枚を全部埋めたら終わり、というシンプルなもの.誰に見せる訳でもないので、言葉が間違っていても支離滅裂になっていたとしてもOKだそうだ.とにかく思うがままに書く.浮かんだら書く.おかげで最近、行き詰まっていたアイディアがどんどん発展していったり、自分の気持ちが安定したりと効果を実感している.
しかし、確かに日記を振り返って眺めてみると、同じ(似たような)構造をもつ文章が結構多く見られる.私自身が意識していない考えの癖(思考の型)のようなものが存在し、思うがままに書いている時はその型から抜け出すことはできていないのだろう.思うがままに書いていれば、書きたいことが書けるようにはならないらしい.
Tさんが在籍していた中学の話がとても興味深かった.なんでも超荒れていた学校で、いわゆる教師に反抗的なヤンキーたちが跋扈していたらしい.教師の言う事を聞かないどころか反抗的であり、仲間内での遊びを勉学以上に優先させる.そんな人たちが卒業式の日、廊下に並んで青白い顔で佇んでいたらしい.高校という守られた時間が終わり、社会に投げ出されてしまう自分たちの未来に初めて不安を覚えたのだろう.その光景が印象的だった、とTさん話す.
彼らは学校内では「自由」であった.自分達の思うがままに行動し、周りの迷惑を考えず仲間たちと好き勝手過ごしていた.しかし、学校の外に出ると、彼らは全然「自由」ではなかった.むしろ、多少我慢して勉強していた生徒たちの方が、未来の選択の自由が保障されていた.ここで分かるのは、思うがままに振る舞う自由は、自身の選択肢を増やしてはくれない、ということだ.他の選択肢を受容しているからこそ、未来の自由を選択することができる.知らないこと、聞いたことがないことに触れることは、結果として自由な自分を保障してくれるのだ.
話を戻そう.「表現の自由」についてであった.私が書いている「アーティストノート」は、確かに発想を柔らかくしたり、感情を安定させることに寄与してくれたかもしれない.しかし、自分の思考の型や知っていることから抜け出すことはできない.しかし例えば、全く別の嗜好をもつ人のエッセイを読んだり、話を聞いてみたりしたらどうだろうか.もしかすると、自分の知らない気持ちや新たな視点に気づき、書ける対象や書き方の選択肢が増え、さらに自由に自分の書きたいことが書けるようになるかもしれない.
Tさんは他にも、廣野由美子さんの「批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義」(中公新書)も持ってきて下さった.その本には、「精神分析」や「脱構築論」など、さまざまな批評の観点が紹介されているという.(会が終わった後、即注文した)この本を読んで、批評の視点を手にしたとき、自分の文学への見方がどのように変化していくのか、今から楽しみで仕方がない.もしかすると「自由」というのは、最初からあるものではなく、努力で手に入れていく類のものなのかもしれない.
別の友人Mも、本を紹介するとき、「批評」という観点をとても大切にしている.そんな彼は、「批評」は「科学」だと話している.自分の主観だけではなく、誰が観ても納得するような「解釈」を論理的に導き出す.(それでもズレや歪みが出てきてしまうようなのだが)読む、という行為がより自由を得るために「批評」を勉強する.おら、なんかワクワクしてきたぞ.
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🗓️次回以降の予定
◎第58回 あおぞらの輪
●日程
・4月19日(日)9時20分〜12時
●場所
・八木山市民センター 和室1
●内容
・マインドマップによる思考の整理、おすすめの本紹介、哲学対話
●持ち物
・参加費1000円、おすすめしたい本、筆記用具、飲み物等
◎第59回 あおぞらの輪
●日程
・5月3日(日)9時20分〜12時
●場所
・仙台市市民活動サポートセンター 研修室3
●内容
・マインドマップによる思考の整理、おすすめの本紹介、哲学対話
●持ち物
・参加費1000円、おすすめしたい本、筆記用具、飲み物等
☎ご興味ある方は、
お気軽にDMにてご連絡ください!
お会いできること、楽しみにしています☺️
